腎臓移植は、患者さんのQOLを底上げする手伝いができる
腎臓外科の特徴や雰囲気は?
当科は、いわゆる一般的な胸部外科、心臓血管外科などとは系統が違っていて、腹部外科や消化器一般外科、泌尿器科などを基礎とした上で移植医療を行っていますので専門性が高い科だと言えます。
チームワークはとてもいいですね。この4月に外科専門医を取得したばかりの先生も加わり、新人からベテランまで広い層のスタッフがいます。
この科を選ばれた理由は?
学生の頃から、移植医療にすごく興味があったことも理由の一つですが、なにより外科としての基本的なスキル、考え方や治療方針などを徹底的に習得したいという思いがあり、この科に入職したというわけです。
移植医療について
私たちの仕事は、もちろん「病気を治す」という目的はあるのですが、悪性腫瘍などの治療とは違い、差し迫った命を救うことではないんです。
血液透析を日々行っていらっしゃる方々は、透析を行えば、ひとまずは生死の心配は避けられます。
そんな中でも、ご自身の生活や人生を「より良くしたい」という思いで腎移植を希望され、受診される患者さんは多くいらっしゃいます。
そういったプラスアルファの部分、患者さんのQOLを底上げする手伝いができるという、他の科とは少し違う経験のできる科だと思います。
移植された患者さんとのふれあいの中で、「時間的な制約から解消された」「妊娠、出産に前向きになった」「仕事によりいっそう取り組めるようになった」など聞かせてもらうと、とてもやりがいになります。
移植医療自体は、世界的に見れば、昔ほど特別なものではなくなってきましたが、そうはいってもどこでもできる医療ではありません。
移植医療は、患者さんのQOLを上げるための医療ですので、医者だけが頑張ってもダメなんです。看護師さん、薬剤師さん、栄養士さんなど、いろんな科の職種の総合力、サポートが求められる医療だと思います。
そういった意味で、八王子医療センターは、どの部署にとっても移植患者さんを診る経験を日々積んできていますので、チーム力、総合力で優れていると思います。
これはもちろん、患者さんにとっても、働く医師たちにとってもいい環境だと思います。
コメディカルの方たち
◎今野先生の一週間スケジュール例
朝 | 昼 | 夕 | |
---|---|---|---|
月 | シャントPTA 移植カンファ(腎臓内科と薬剤師と合同) | 内シャント その他手術 | 内シャント その他手術 |
火 | 生体腎移植 (医局会・抄読会 月1回) | 生体腎移植 | 生体腎移植 |
水 | 外来 | 内シャント その他手術 | 内シャント その他手術 |
木 | シャントPTA | 内シャント その他手術 | 内シャント その他手術 |
金 | シャントPTA 科内 症例カンファレンス(腎臓外科単独) | 内シャント その他手術 | 内シャント その他手術 |
土 | 外来 (学会などの場合もあり) |
八王子という地域・土地柄について
自然豊かな割に、交通の便が良いですし、周辺の家賃などもリーズナブルなので、この地域でじっくりスキルアップに励むには最適です。
また、高速道路も近くまで来ましたし、電車も都心まで1時間なので自然豊かな割に、交通の便が良いです。
科を隔てて、趣味の仲間などの交流もあるので、登山やスポーツなど皆さん楽しんでいます。
この外科専門研修プログラムに興味のある人へメッセージなど
腎臓移植は、7割8割は、泌尿器科の先生が多いのですが、八王子医療センターの特徴として、外科の専門医が行いますので、全身管理をしていく中で移植医療もしたい、という希望がある先生がいれば、非常にマッチしていると思います。
というのも、臓器提出にいろんな施設に出向く必要があるのですが、その時に構造をよく理解しているかどうか、ということが非常に大事になってくるんです。
全身管理であったり、ある程度手術に慣れた上で、プラスアルファで移植医療を専門で持ってもらえるのは、今後のキャリアにも大きなメリットになると思いますよ。
シャントのPTA、内シャントの技術・テクニックというものは、今後も地域病院などでも大変需要のある技術ですので、「芸は身を助ける」ではないですが、医師の将来設計の観点からも、大学病院ならではの先進的な移植技術を勉強しつつ、このようなニッチな技術を習得することができる当科は、非常にバランスのとれたよい環境だと思います。
私たちも外科でいろいろ学んできて、当院や他院に多くの人脈がありますので、個々の先生方のキャリアアップ、キャリアプランに沿った柔軟なサポートができると思います。
もちろん、移植医療をメインにやりたいという先生であれば、全面的にサポートします。キャリアなど関係なく平等に国内外の移植学会(日本臨床腎移植学会、アジア移植学会など)にも積極的に行っています。
以上、不安にならずに、少しでも興味がありましたら、是非お声をかけていただければと思います。よろしくおねがいします!
外科専攻医・先輩たちの声
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