「しっかりとした環境で育つこと」が何より重要
消化器外科・移植外科の特徴や雰囲気は?
いわゆる「大学の医局」っぽくないというか、いい意味で「外科外科」していないですね。
具体的には、第1に教授との距離がすごく近い、ということだと思います。
こういった大学病院で、主任教授とこんなにもディスカッションができたりするのは珍しいのではないかと思います。気軽に、というと語弊があるかもしれませんが(笑)。
第2に、全体的にスタッフが若い、ということですね。年齢が若ければ、それだけ早くからいろんなことを経験できますんで。
この科を選ばれた理由は?
僕はこの八王子医療センターで初期臨床研修を受けていた時から、ずっと整形外科医になるつもりでいました。
しかし、消化器外科の研修中、先輩方の手術を見たり、自分自身でもいろいろ経験させてもらっているうちに「やりたい!」と強く思いました。
あとは、医局の雰囲気が良かった。決して楽な、なあなあな空気ではないのに、先輩たちが堂々と手術に臨む姿が「かっこよかった」んですね。「あー外科医ってこういうものなんだ」ってその時、垣間見た気がしましたし、自分も「これができたらかっこいいな」と思う所がたくさんありました。
印象に残る出来事など
当時、指導してくださった先生に言われた言葉が印象深いです。
1つ目は、「3年〜5年で医者は完成される」です。
どういうことかというと、医者になりたての数年間は、「しっかりとした環境で育つこと」が何より重要で、そのうちに頑張ればいいだろうとか、いつか厳しい環境に行けばいいだろう、とか思っていると、あっという間に無理がきかなくなってしまう。
この若い時の数年間にどれだけ経験したか、が大事なんです。
逆に言うと、この年数にしっかりとした基礎や考え方などが出来上がっていれば、将来にわたって、さらに飛躍できる伸びしろが得られるようになると思います。
自分も上の先生にそのように言われたことが大きかったですし、今の自分を形作っているんだと思います。
2つ目は「自分より早くできるようになれ」です。
指導されている先生は、自分なりに経験してきたことを吟味した上で、端的に、簡潔に教えてくれたりしますよね。
そのおかげで、僕らはそのノウハウを身につけることができるわけですから、当然、その先生たちよりも早く、到達していかなければならない、という教えです。
それは、手術にしても、患者さんの管理にしてもです。これらは、下の先生たちにも伝えてあります。極力、早く、上手くなって、より沢山の経験を積んで欲しいと思っています。
ここで研修しておけば、外の病院に出ていっても堂々勝負できる、そして負けない
八王子という地域・土地柄について
「大都会じゃないゆえの良さ」っていうものがあると思います。
八王子は、3次救急をしている大学病院が2施設しかない、ということで、それだけ経験も多く積めます。
緊急対応も含め、回ってくる症例数もいわゆる都心の病院よりも多いのではないかと思います。
これは地域性なんでしょうかね。
大学病院であるにもかかわらず、市民病院のような雰囲気があり、のどかです。
看護師さん、コメディカルの方々含め、人間関係のコミュニケーションが取りやすく、働きやすいと思います。
理不尽な対応というか、普段つまらないことで気を使う必要がないので、外から来る先生も安心してもらえると思います。
それと、院内保育園も併設されてますし、女性も働きやすいです。
また、八王子周辺には、美味しいお店も多くておすすめです。アフター5には、よく八王子の街にくり出しますね。
この外科専門研修プログラムに興味のある人へメッセージなど
この研修プログラムのメリットは、とにかく経験値の上昇が早い、ということつきると思います。
八王子医療センターでしっかり研修しておけば、いざ外の病院に出ていっても堂々勝負できる、そして負けない、そんな教育が行なわれています。
ここでやっておけば、自立が早い、どこへいっても勝負できる、これですね。
さきほど、ここに来れば、多くの症例が経験できる、と言いましたが、それに矛盾するようですが、「10件のオペより、1件のオペが大事」という感覚も大切にしています。
前立ちの先生が「はい、ここ切りなさい」「ここ縫いなさい」で言われるままにやったとして、気がついたらオペが終わっていて、それでも感覚としては、手術を「やった気になっている」、そのような手術では駄目だと教育されます。
つまり大切なのは、「やらされるオペ」でなく「(自分から)やるオペ」なんです。
ウチ(八王子の外科)は、その「自分でやりなさい」というオペを教育していますので、早くから、自分自身で手術をマネジメント出来るようになっていきます。
マネジメントとは、自分で調べて、計画し、組み立てていく能力のことです。それが出来るようになるのがこの研修プログラムの良さですね。
オペ中の佐野先生
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